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Author:yasukomi
埼玉県狭山市にあるいのちの樹教会の牧師です。
このブログは毎週の礼拝と祈祷会のメッセージを要約したものです。

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200524 ルカ1:5-25 「神の計画は最善」

ルカ1:5-25 「神の計画は最善」

 綿密に調べ上げて順序立てて、ルカは何を書くかと言いますと、それはザカリヤとエリサベツという老夫婦に初めての子が与えられるというお告げです。ルカはイエス・キリストの福音を伝えるのに、イエス様ではなくて、ヨハネ。母マリアではなくて、エリサベツと言う不妊の女性の話から書き始めます。ルカはそれが必要だと判断したのです。なぜなんでしょうか。それは彼らの妊娠の出来事が、他でもないマリアにとって大きな意味を持っていたからです。
 ザカリヤとエリサベツは生まれも育ちも由緒正しい祭司の家系です。そして神のみ前に正しく、戒めと定めを落ち度無く生活していた夫婦。まさしく非の打ち所の無い二人ですから、さぞかし主の祝福に満ちた夫婦生活であっただろうと想像します。しかし、続く記述はそのような予想に反して、彼らには子が与えられなかった。それはエリサベツが不妊の女であって、そして何より二人はもう年をとっていたからだと記されるのです。イスラエルにとって子が生まれるというのは=神からの祝福と考えられておりましたから、不妊というのは神の祝福が及んでいないと考えられていました。ですから、不妊の夫婦というのは、それだけで肩身の狭い思いをする社会でした。周囲からのプレッシャーも相当なものがあったでしょう。そんな中でも彼らは落ち度のない生活を過ごします。いや、そうせざるを得なかったんですね。何か一つ落ち度があれば、やっぱりあの家は祝福されていない。と全てを不妊と結び付けられます。子が与えられなかったザカリヤとエリサベツは、正しい人というよりも、正しい人でなければいられなかった。絶えず周囲の目に気を使い、あらゆることに対して慎重になりながら、長い年月を過ごさざるを得なかったのです。
 18節で、ザカリヤは御使いに子が与えられると告げられたとき、「私はそのようなことを、何によって知ることができるでしょうか。この私は年寄りですし、妻ももう年をとっています。」と答えています。彼らは祭司家系ですから、他の者達よりも律法に通じておりました。彼らは90になる不妊の女サラにイサクが与えられた話も、マノアにサムソンが、ハンナにサムエルが与えられた話も、私たち以上に知っていたはずです。長年の祈りが人の考えを遥かに超えて実現する。彼らはその奇跡の実例を確かに知っておりました。しかし、それでも尚、年を重ねた身で子を願い続けることは難しい。しかし、これは決して彼らの不信仰ではありません。彼らにはわかりません。それは神のご計画でありました。
 長い悲しみの末に、もう人の手には完全に不可能になって、子が授かる。ヨハネの誕生はそうでなければならなかったのです。なぜなら、常識では考えることのできない、信じられない奇跡だからこそ、マリアに勇気を与えることができたからです。
 御使いの突然の御告げに驚いたのは、ザカリヤとエリサベツだけではありません。その半年後、エリサベツの親族であるマリアにも御使いがあらわれます。突然の御告げに驚きを隠せないマリア。まだ結婚もせず、男の人を知らない身でありながら、彼女は聖霊によって身籠ったと告げられます。しかも、その子は「いと高き方の子」、つまり預言された救い主だと言うのです。こんなあり得ない話があるでしょうか。しかし、老女エリサベツが子を授かったという奇跡が先に起こっていました。このことが、年若いマリアに、神のご計画を受け止める信仰と判断を与えたのです。もしもエリサベツがまだ若かったなら、マリアにとって何の力添えにもならなかったことでしょう。彼女がもう何人も子どもを産んでいる人だったら、何の不思議もありません。彼女が不妊の女だったからこそ、そのことに苦しみ、涙した日々をマリアが知っているからこそ、エリサベツの存在は神に全てを委ねる後押しとなったのです。彼らの悲しみの日々がマリアにとって必要だったのです。
 つまり、ザカリヤとエリサベツの願いは、これ以上無いみこころの時に適えられたということです。
 これまでの彼らの人生は、忍耐の人生でした。悲しみを抱えた人生でした。それは、自分たちの思い描く方法、自分たちの思い描く時、自分たちの願いどおりにならないことに対する悲しみでありました。しかし、それは神に聞かれていないということではありません。それは神の思い描く時ではないということです。私たちの祈りの生活も、時に忍耐を強いられ、時に歯痒い思いをするかもしれません。しかし、必ず神の最善の時が約束されているのです。

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