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Author:yasukomi
埼玉県狭山市にあるいのちの樹教会の牧師です。
このブログは毎週の礼拝と祈祷会のメッセージを要約したものです。

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210221 ルカ6:37-42 「人を量る秤で」

ルカ6:37-42 「人を量る秤で」

 「あなたがたが量るその秤で、あなたがたも量り返してもらえるからです。」ここにある秤とは、もともと麦や塩などを量るための枡のことです。たとえば麦を売る時に、両手いっぱいで幾らとはいたしません。同じ値段なのに手の大きさによって差が出るなら、それは不公平だからです。誰の目から見ても、納得が行く公正な取引をするために、設けられた基準。これが枡一杯という秤です。けれど悪い商売人ですと、この枡の大きさを微妙に変えて誤魔化すわけです。たとえば、同郷の人には普通の枡だけど、他所の土地の人には少し上げ底をした枡を使ったりする。奴隷相手であればもっと小さい枡を使ったりする。これはもう見た目ではわかりませんから、やろうと思えば簡単に騙せるわけです。そんな中、イエス様の言葉は、如何に新鮮で、公正で、納得のいくものだったことでしょう。しかし、それゆえにごまかしが利かない、言い逃れのできない教えでもあるのです。
 イエス様は、弟子たち自身の目に梁があるというのに、兄弟の目のちりを取ろうとやっきになっていることを指摘しています。それは盲人が盲人を案内しているようなものだとです。けれど期待もしています。十分に訓練を受ければ、自分の師のようになれるとです。ですから、兄弟のことをとやかく言っていないで、自分の梁を取り除きなさい。自分自身を吟味しなさいと言うのです。
 兄弟の目の塵を取らせてくださいというのは、親切なようでいて、内心ではその人を裁いているのです。不義に認めているのです。愚図で、間抜けで、役に立たない。そんな風に見下しているのです。今、この教えが、他でもない弟子たちに向けて語られているということに注意を払うべきです。それは信仰者こそ、この誘惑に陥りやすいからです。つまり他人を裁く誘惑です。そこには理想があり、正義があるからです。神の正義を知っている私たちは、教会に理想を抱き、信仰者に理想を抱き、そして理想に及ばない他人の粗が許し難いもののように思えるのです。教会を乱す悪人のように思えてきます。そして自分には神に代わって悪を正す使命があると考えます。あの人はクリスチャンとして相応しくない。あの人の態度は神様の前に正しくない。けれど、そのように裁く自分自身はいったい神の目にどのように映っていることでしょうか。私たちは私たちの正義の秤に耐え得るものでしょうか。私たちは私たちの正義の尺度に適う者でしょうか。自分にだけは小さい枡を用いているのではないでしょうか。私たちは自分自身の姿をもう少し客観的に見るならば、どれほど多くの衝突を避けることができるかと思わざるを得ません。
 同じ秤で量られる。しかし、よくよくこのところを読んでみますと、少しおかしな点があります。6:38にはこうあります。「与えなさい。そうすれば、あなたがたも与えられます。詰め込んだり、揺すって入れたり、盛り上げたりして、気前良く量って懐に入れてもらえます。あなたがたが量るその秤で、あなたがたも量り返してもらえるからです。」変だとは思いませんか。同じ秤で量り返してもらえるとありながら、実際は「詰め込んだり、揺すって入れたり、盛り上げたりして、気前よく量って懐にいれてもらえます。」とあるのです。ずっと、同じ秤で量られると聞いてきました。他人の目の塵ばかり気にして自分を省みない私たちの現実を指摘されました。だからよくよく自己吟味しなさい。と語られました。当然です。だからこそ公平が保てるというものです。ですから私たちはこれを聞いて、兄弟と関わることに躊躇うところではないでしょうか。ああ、確かにおっしゃる通りだなぁ。自分のことを棚に上げて人のことを言ってる場合じゃないなぁ。同じ秤で量られるなら誰とも関わらずに過ごしたほうが良いんじゃないかなぁ。もう一層のこと、人知れず山にでも籠ろうかなぁ。
 けれど、イエス様は、ここで、気前よく量って懐にいれてもらえる。と言われるのです。つまり神様の祝福は単なる因果応報ではなくて、溢れんばかりの恵みなんだと語られる。もしも私たちが赦し、与える歩みをするのなら、神様は単に同じ秤で返すのではなくて、そこにぎゅっと詰め込んで、さらに揺すって隙間を埋めて、そのまた上に盛り上げて、何倍にもして返してくださると言われるのです。ですからイエス様は、量られることを恐れて隣人に関わらないようにしましょう、というのが私たちのゴールではなくて、赦す。与える。ということにおいて積極的に関わってまいりましょう。と、こうおっしゃっているのです。

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